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失われた時を求めて(プルースト)に登場するハーブティー
「失われた時を求めて」📚
あまりにも有名(かつ難解、長文)な
マルセルプーストのフランス近代文学。
先週末、それを読破せずとも、
プルーストの研究者でもある芳野まい先生に
解説いただくという贅沢な会合に出席しました。
この物語はどこから読んでも、
どこ部分を読んでも、
プルーストのエッセンスを感じることができる
講師のまい先生はそうおっしゃった✨
私は、自分の好きな箇所を何度も何度も繰り返し読み。
物語に出てくるシナノキのお茶を「リンデン」
(セイヨウボダイジュの葉や花)
とプルーストの描写から確信✨
リンデンの花
今日は物語の描写を真似するべく
そのお茶にマドレーヌを浸して飲んでみた。
物語は、主人公の叔母が、
気の立っていると感じるとき、紅茶ではなく
このリンデンを淹れてくれたというくだりがあり
確かに、リンデンのメディカルハーブ的な効能は
精神的な緊張の緩和なのです。
⭐︎
さて、プルーストに語らせるとリンデンは
かくにも美しくも詩的な描写となるんです!
(本文より引用)
↓↓↓↓
茎はどれも乾燥して折れ曲がり
気まぐれな格子模様を形作っているが
その組み合わせ模様のなかに
青白い花が幾つか咲いているのは
画家が花を並べて最高の装飾効果があがるように
ポーズをとらせた感がある。
葉のほうは、
もとの外観が喪失したり
変貌したりしているため
まるでハエの透明な羽や、
なにも書いてないラベルの裏や
バラの花びらなど、ばらばらの素材を寄せ集め
積み重ねたり粉々にしたり
編んだりしてつくりあげた巣を想わせる。
そんな語りを通して見ると、
このリンデンも古ぼけても美しい、、
アンティークのラベルのように思えてくるから不思議✨
私は、植物が持つ美しい容姿や、
触感、色彩、硬さ、柔らかさ
できればお茶というカタチになっても伝えたいと思う☕️
だから、和漢ティザンヌも、
抽出という意味では優れているけれど、、
粉々にして不織布に包んでティーバックにはしたくなかったのです☺️
これからも、ざくざく、とワイルドなカタチを貫きますが
そんな容姿ごと、和漢ティザンヌを可愛がっていただければ幸いです。
ぽかぽか温める日和、寒くなったいまとても好評です!!